2010年09月17日

「きつねのともだち」とか

きつねのともだち

ナレーション「きつねの子供は、ニンゲンの世界に憧れていました」
ナレーション「でも、お母さんから、ニンゲンの世界は怖いところだから」
ナレーション「近づいちゃいけないと言われていました」
ナレーション「でも、どうしても行きたかったのです」
ナレーション「だから、彼女はこっそりとニンゲンの町へ行きました」
きつね、おどおどしながら登場。
きつね「だいじょうぶかなー、ちゃんと化けられてるかなー」
その場で一周。
きつね「あ、しっぽしっぽ!」
しっぽを外す。
きつね「これで大丈夫」
きつね、舞台をうろうろ。
きつね「わー、これがニンゲンが住む街かー」
きつね、立ち止まる。
通行人現れる。
きつね「(どきどき)」
通行人数名が会話しながら通り過ぎる。
きつね「よかった、気づかれなかった」
きつね、舞台をうろうろ。
「きれいな服」「おいしそうなケーキ」など、町並みを表現。
きつね、立ち止まる。
うさぎ、ねこ、たぬき登場。
うさぎ「あ、知らない子がいる!」
ねこ「ほんとだー」
周りを囲う。
たぬき「きみ、名前は?」
きつね「あの、えっと、xxです・・・」
ねこ「そうかーxxちゃんかー、いい名前だね。わたし△△」
たぬき「おれ○○」
うさぎ「わたし□□。いっしょにあそぼ!」
ねこ「じゃあ鬼ごっこでもしよ。あんた鬼!」
たぬきを見る
たぬき「えー!!」
うさぎ「いっしょに逃げよ!」
うさぎと一緒の方向へきつね逃げる。
みんなが散り散りになり、取り残されるたぬき
たぬき「まってよー!」
ナレーション「こうして、きつねのこどもはニンゲンのこどもと仲良くなり」
ナレーション「一緒に遊ぶようになりました。」
ナレーション「でも、楽しい日々は続かないものです」
ナレーション「ある日のこと、きつねのこどもはいつものように町へとでかけました」
ナレーション「大事なことを忘れたまま・・・」
きつね、しっぽをつけたまま登場。
きつね「さー今日も一日遊ぶんだ!」
♪エモ。
羊とすれ違う。
振り返る羊。
ひつじ「きゃーっ!化け狐!」
ひつじ逃げる。
きつね、立ち止まる。くるっと一周。
きつね「あ!しっぽ!」
銃ししとうし、龍など大人たちを連れて羊が帰ってくる。
ひつじ「あれです!化け狐」
(ここで耳もつける)
きつね、逃げる。
うし「逃げたぞ!」
しし「追え!」
一度全員舞台裏へ。
きつねだけ戻ってくる。
反対からうさねこたぬ登場。
たぬき「あー、xxちゃん!」
きつね、立ち止まって反対に行こうとする。
きつねの来た方向に獅子など。
しし「こっちだー!」
きつね、右往左往。
うさぎ「××ちゃん?・・・しっぽ・・・」
きつねしゃがむ(寝る)。
たぬき「あちゃ、ばれちゃったのか」
ねこ「しょうがないわねぇ。こっちに隠れて」
きつね立って、舞台奥に移動、座る。
その前にうさねこたぬき立つ。
大人たちやってくる。
しし「こっちに化け狐こなかったか?」
ねこ「しらない」
うさぎ「なんのこと?」
たぬき「誰も来なかったけど」
ねこ「あれ?あそこ走ってるのがそう?」
うし「あっちだ!」
しし「俺の銃が火を噴くぜ!」
大人たち走り去る。
たぬき、大人たちの去ったほうを確認。
たぬき「もうだいじょうぶ」
ねこ「駄目だよ、しっぽなんか出してちゃ」
きつねしばらく沈黙しておもむろに
きつね「こわくないの?」
うさぎ「え?」
きつね「だって化け狐だよ?」
たぬき「・・・」
ねこ「・・・」
うさぎ「・・・」
たぬき「別に人捕って食べるわけじゃないだろ?」
ねこ「化け狐で何がいけないの?」
きつね「でも!でも!」
きつね「ニンゲンは化け狐って追い掛け回すよ」
きつね「ニンゲンは鉄砲持って追いかけてくるよ」
たぬき「そんなこと言ってもなぁ」
ねこ「ねぇ」
たぬき「だって俺化け狸だし」(変身)
ねこ「だってわたし化け猫だし」(変身)
一同うさぎを見る。
うさぎ、一歩前に。
うさぎ「わたしはーわたしはー」
うさぎ「・・・」
うさぎ「だってわたしはニンゲンだけど」
うさぎ「友達だもん!」
きつね、隣に立って
きつね「ともだち?」
うさぎ「うん。友達」
きつね「ともだち・・・」
うさぎ「わたしとあなたは友達」
うさぎ「友達だもん。だから怖いわけないじゃない」
きつね「ともだち」
たぬき「ともだち」
ねこ「ともだち」
ひとしきり「ともだち」と言い合って沈黙後
たぬき「ほとぼりさめたら」
ねこ「またおいで」
うさぎ「約束だよ」
たぬき「そうだな。1年後の同じ日に」
たぬき「この公園に集まろう」
ねこ「また遊ぼうね」
きつね「うん。必ず来る」
うさぎ「待ってるよ」
ねこ「来年これなかったら再来年」
たぬき「再来年これなかったら次の年」
うさぎ「待ってるからね。ずっと待ってるからね」
きつね「わかった。待ってて。必ず来るから。待ってて」
きつね「待ってて、わたしのお友達」
きつね、走り去る。
うさたぬねこも舞台から降りる。
ナレーション「翌年、XXは来ませんでした」
ナレーション「次の年もXXは来ませんでした」
ナレーション「そして、5年の月日が流れました」
うさたぬねこ舞台へ。
ねこ「もう5年か」
たぬき「今年も来ないのかな」
うさぎ「来るといいね」
ねこ「ねえねえ知ってる?」
たぬき「ん?」
ねこ「来月、この公園無くなるんだって・・・」
うさぎ「ええええー!」
たぬき「なんだよそれ!」
ねこ「家が建つんだって」
たぬき「・・・ここも人が増えたからねぇ」
ねこ「・・・XXちゃん、道に迷わなければいいけれど」
うさぎ「だいじょうぶ、きっと来るって。必ず来るって」
うさぎ「だって」
うさぎ「約束したんだから」
たぬき「そうだな」
ねこ「そうね」
沈黙。
たぬき「おい、あれ!」
ねこ「え?」
うさぎ「XXちゃんだ!」
きつね、舞台に上る。
うさぎ「XXちゃん!待ってたよ!」
きつね「ちがう」
うさぎ「え?」
きつね「わたし××ちがう」
きつね「わたし×○。いもうと。にんげんのことばなれてない」
ねこ「えええ!」
たぬき「そっくりだ」
うさぎ・ねこ「うんうん」
きつね「あね、5ねんまえ、しんだ」
きつね「てっぽうでうたれてしんだ」
きつね「ママもこないだしんだ」
きつね「わたしひとりになった」
きつね「てがみ」
紙どろっぷ
うさぎ拾う
ナレーション「そこには拙い字で、こう書かれていました」
ナレーション「ともだちへ、やくそくまもれなくてごめんね」
きつね「ほんとうは、はやく。とどけたかった」
きつね「ようやく、にんげんに、化けられるように、なって」
きつね「だから、あねとの、やくそく、まもった」
きつね、立ち上がって去ろうとする。
うさぎ「待って」
きつね、立ち止まる。
うさぎ「これからどうするつもりなの?」
きつね「やまに、かえる、わたし、にんげんのことば、へただから」
きつね、また歩き出す。
うさぎ「だったら、うちへおいでよ」
きつね、立ち止まる。
きつね「それ、めいわくかける」
うさぎ「ううん、そんなことない。そんなことないよ」
ねこ「そんなことないって」
たぬき「そんなことないさ」
うさぎ「だって。だって」
うさぎ・たぬき・ねこ「ともだちだもん」
きつね「ともだち?」
うさぎ「そう。ともだち。あなたとわたしはともだち」
たぬき「そう。ともだち。きみとぼくはともだち」
ねこ「そう。ともだち。あなたとあたしはともだち」
きつね「ともだち。しらないことば」
きつね「でも」
きつね「あたたかい、ことば」
間をとって
きつね「ともだち」
うさぎ「ずっと」
たぬき「ずっと」
ねこ「ずっと」
全員で「ともだち」
ナレーター舞台に
ナレーション「こうして、×○はニンゲンとして暮らすことになりました」
ナレーション「その後、彼女がどうなったのかは知りません」
ナレーション「無事にニンゲンとして暮らせたのでしょうか」
ナレーション「それとも・・・」
間をとって
ナレーション「でも、ひとつだけ言えるなら」
ナレーション「かれらはずっとともだちだったでしょう」
ナレーション「fin」

はい、もはや伝説級になってしまった、「きつねのともだち」のシナリオです。
実際にショコラさんが演じた様子はこちらをどうぞ。
http://gekidansyokora.blog82.fc2.com/blog-entry-69.html
実際の劇ではショコラさんが、戯曲には書かれていない(というか書けない)台詞と台詞の「間の取り方」を完璧だったので、バー自身も痺れるような思いをしました。

解説です。
初めのシナリオでは、「ともだち」の連呼とか、かなり劇というか、学芸会のノリに近いシナリオになっています。
これは、前回書いたとおり、古典劇に対する反応がどの程度なのかを知りたかったというのがありました。
こういった「学芸会的要素」というのが、この「きつねのともだち」以降、鳴りをひそめたのも、そういう事情からです。

このシナリオの中核をなす要素は、「耳としっぽ」で、これはトリスタの大きな特徴なので、トリスタ以外ではこの劇は演じられないでしょう。
実際にはできませんでした(ラグその他の事情らしいです)、二次スキルで実装された変身機能もシナリオに取り入れています。
途中の「俺の銃が火を噴くぜ!」というのは、一応解説しますと、ダーティハリーの「俺のマグナムが火を噴くぜ!」が元ネタです。これは特に指定しなかったのですけど、きっとうー黙りすぎさん(リンク)が演じるだろうと思っていたら、案の定ノリノリで演じてました。

この話は、たぶんバーの書いたシナリオでも最も評判が良かった作品でしたので、後日小説版にリライトもしました。
興味があればどうぞ。
http://hitsudi.seesaa.net/article/45812359.html
posted by バー at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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